【基礎知識】メンテナンスの種類【BM・PM】

工場を安全に運転するためには日々の設備メンテナンスが重要である。メンテナンス主体は設備グループが担ってくれるが、設備投資を行う技術スタッフとして、新設した設備はどのメンテナンス(保全)方法が良いのか判断できるようメンテナンスの種類を紹介する。

メンテナンス(保全)の種類

メンテナンスの種類には、大きく事後保全(BM:Breakdown Maintenance)と予防保全(PM:Preventive Maintenance)がある。

事後保全

事後保全(以降、BM)とは設備が故障・能力低下した時点で設備を修理、または据え替える方法である。大昔はBMが一般的な考え方であり、故障する度に迅速に修理を行っていた。この故障がラインの根幹をなすものだった場合、工場・ラインは停止を余儀なくされていた。

予防保全

予防保全(以降、PM)とは、設備が故障する前に予め定めた基準や手順に従って計画的に修理を行う方法である。突発的に故障した場合には、工場・ラインの停止、ロスの発生、使用率の低下、突発停止による労災、緊急工事対応による工事費用・人件費の発生する。これらのリスクを未然に回避するため、近年のメンテンナンスの主流となる考え方である。

PMの中には定期保全(TBM:Time Based Maintenance)と状態保全(CBM:Condition Based Maintenance)がある。

定期保全

TBMは使用部品や機器の耐用年数を加味し、定期的な修繕を行い故障を未然に防ぐ方法である。しかしこの場合は全く壊れない場合にも修繕に出してしまうので、余分に修繕費を使用している可能性が発生します。

状態保全

CBMは設備の状態を日頃から巡回などで記録し、継続監視することで調子が悪くなってきたら修繕に出す方法である。この場合は適切なタイミングで修繕に出すことはできますが、巡回項目や月例点検項目に追加する必要があり、オペレーターへの負荷に繋がります。

もちろんPMの方が機器に対しても優しく、ラインの停止に繋がらないことから優れた保全方法とは言えるが、すべての機器に対してPMを行う事は適切ではない。

保全方法を使い分ける

まず、全ての設備に対してPMを行うのは工数、修繕費ともに莫大になり現実的ではない。技術スタッフは設備毎のプロセスへの影響度・重要度を検討し、それに合わせて適切な保全方法を決定する必要がある。

まず予備機を持っている電動機や故障してもラインが停止しない機器に関しては、基本的にはBMを行う傾向にある。故障しても予備機ないしは1台運転でも当面の間はしのげるのであれば製造には問題ない。BM対応であれば、定期的な保全も監視も必要なく最低限の費用・工数で管理することが出来る。

大型電動機や故障するとライン停止につながる重要設備はCBMが推奨される。停止すると付帯設備にもダメージを与える機器は、故障した後で修繕費やロスが大きくなる可能性がある。こういった設備は巡回などで定期的な状態監視を行う事で損傷が小さいうちに修繕を行う事が重要である。

連続稼働している電動機や運転中の負荷が高い機器に関しては、TBMを行う傾向にある。連続稼働している設備は損耗が連続的な為、これまでの実績と大差ないタイミングで故障するためである。

上記は一例だが、技術スタッフは各設備の運転方法に適した保全方法を検討する必要がある。

不安全状態を取り除く

保全の目的は機器の不安全状態を発生させないことにある。工場という限られたリソースの中で運転を安全に継続するために各設備に対して適切な保全方法を選定する必要がある。

以上、ご安全に

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